星組 こうもり/THE ENTERTAINER! 初日観劇 紅さんアイゼンシュタイン
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星組 こうもり/THE ENTERTAINER! 初日観劇してきました。
我らが贔屓、ことちゃん(礼真琴)の感想はこちらからどうぞ
芝居、ショーの全体的感想とことちゃん以外の方々の感想を書いていきます。初日1回の観劇でピント外れのこともあるかもしれませんがそこはご容赦ください。
芝居『こうもり』
先に結論的なことを書きますが、オペレッタの原作を知らない、または興味がなく、あくまでも宝塚歌劇の演目として楽しめればよいという人には、それなりに楽しめる演目だと思いました。
歌もたくさんあるわりには、みなさんそれぞれ頑張っていたし、眠くなる場面も少なく、笑いも所々あり、まあよかったのではないでしょうか。
しかし僕は原作のオペレッタをそれなりに研究しストーリーや配役も全て頭に入れ、『こうもり』の面白さも理解した(あくまで自分なりにですが)上で、宝塚歌劇がどのように『こうもり』を演じるのか、という視点で観劇したのでそういう意味ではいろいろと思うところがあります。
ファルケとアデーレの恋が不自然
注目していたファルケとアデーレの関係が不自然すぎます。
主役をアイゼンシュタインからファルケに変えたこと、元々接点のないファルケとアデーレを『恋仲』の設定にしたことなどから、この二人の具体的設定をどうするのか興味がありました。
夜会でそれは明らかになりますが、アデーレがファルケに「なぜ私を夜会に招待したのか?」と聞いてのファルケ答え。
『ファルケが研究に行き詰まったときに行く公園でアデーレが女優の稽古をしているのを見ていて関心があった』
『それで今回の復讐劇のメンバーに加えた』
そして夜会で知らないうちに恋仲になっていくんですね。最後にはキスまでする仲になる。
これはあまりにも無理がありすぎます。まあ宝塚らしいといえばそれまでですが。
ファルケがアデーレを恋していたとしてもそれはよしとしても、アデーレがファルケに惹かれていく場面が一つもない。
もしあったとしてもたった数時間でキスまで行きますかね?
どうせこの二人を主役にするなら『元々恋人同士で、二人で復讐劇を企てた』という設定の方がより自然だったのではないでしょうか。
ストーリーは原作に近い
主演を変えることで、もっとストーリーを改変するのかと想像していましたが、話の主軸は変えていませんでした。そういう意味ではなんとか破綻しないように脚本をまとめたと評価できます。
その一番のポイントは、アイゼンシュタインとロザリンデの関係性です。
このオペレッタの面白さは、一連の復讐劇の楽しさですが、その中心にあるのは『ロザリンデがアイゼンシュタインの夜遊びに対して証拠を突きつけ、ギャフンと言わせる。
そしてそれは酒のせいだから許そう。じゃんじゃん』だと思います。
その場面は最後しっかりとありましたので救われました。
しかし、原作ではロザリンデの浮気を追求するアイゼンシュタインに対してロザリンデが反対に証拠を突きつけるから面白いのであって、そこの部分がないのは残念でした。
まあこれは配役時点で、ロザリンデが主演ではない時点で、そうはならないだろうとは想像していたので仕方がないですね。
アルフレード(礼真琴)の投獄の設定も配役時点ではどうなることかと心配でしたが、主人と間違えられて捕まる、まあよかったと思います。
アルフレードが捕まる必要があったのか?とも思いましたが、最後どちらが本物のアイゼンシュタインか?という所を話の中心にするために、投獄されるアルフレードが必要だったわけで、そこも面白かったと思います。
紅さんアイゼンシュタイン
舞台登場したときから『酔っ払い』です。酒の瓶片手にかなり酔ってます。
出番はかなり多いです。当然ですね、原作では主役ですから。ファルケの研究室の場面以外はほとんど出ずっぱりの印象。
そして最後、舞台からいなくなります、ロザリンデ、アルフレードとともに。舞台はどんどん進行して「え?このまま終演しちゃうの?」と心配になりますが、ご安心を。下手花道から紅さん先頭に3人が走って登場してきます。そのまま銀橋を駆け抜けて上手花道に消えていきます。そして幕です。なので最後は舞台にいません。
役作りは35歳ぐらいですかね?少なくともオペレッタ原作のようなおじさんではないです。これは他のキャストもみんな若く感じますから。
全体的には楽しい演目なので軽めの、いかにも紅さんらしい役作りです。
しかし貴族らしく、特に執事のアルフレードに言いつけるときなどは『男らしくビシッと』していました。
ただ、笑いを取るような台詞も多く、その時にいつも通り軽い口調になり、やや『オネエ』が出てくるのが気にはなりました。紅さん、元々声が高いですからね。ああいう設定なのかは不明です。
歌もかなり歌いますが、初日から十分健闘していたと思います。もちろん音程に不安は全く感じません。そういうレベルではなくなりました。
初日だからでしょうか、北翔さんとの芝居でもあまりアドリブはなかったような気がします。これが公演が進み、アドリブが増えてきたときに、ぜひアルフレードとの芝居でもアドリブを飛ばしてほしい。それに対応する、ことちゃんを見たいです。
風ちゃんアデーレ
大健闘ではないでしょうか。歌がかなりたくさんあった印象です。
最初のアイゼンシュタイン邸での侍女たちの歌(スカステ初日映像で流れた)では、高音がちょっと不安定な感じがして、やや不安でしたが、その後の夜会でのアデーレのアリアやチャルダッシュはよかったです。
風ちゃん、かなりお稽古したんでしょうね、それが伝わってきました。衣装も素敵で、ファルケと二人で銀橋に出てくる衣装が特に印象的でした。ポスターもあれにしたらよかったのに。
その他また思い出したら書きたいと思います。
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