星組柳生忍法帖/モアダンディズム 礼真琴&舞空瞳 2回目観劇感想その2
星組柳生忍法帖を楽しむキーワードがいくつかあります。
そのひとつが「童歌」
幕が上がる前から童歌が流れます。
この歌、ゆらが歌います。ここもポイントです。
原作では沢庵和尚が鶴ヶ城前で手毬唄として子供相手に歌っていて内容は七本槍をあざ笑うものです。
本公演ではお城に攫われた娘たちを痛む歌詞になっています。
お姉さんがお城に連れて行かれた三つ子の長男天丸が死に際に悲しく歌います。
その歌を聞いたゆらの台詞
「今の歌、城に攫われた女から聞いたような、、」
さらにお城の地下室、雪地獄にいる天丸の姉が歌い、それを聞いた十兵衛が弟が殺されたことを知りながら
「きっと姉様のお帰りを心待ちにしておられよう、、」
もうどの場面も辛くて辛くて。
特に天丸が殺される場面。
姉様のために七本槍のいいなりになって手下として生きているのですが弟の風丸、地丸が虫けらのように殺されるのを見てついに切れた天丸。
丈之進を殺そうとするんですね。そして逆に殺されてしまう。
そこで歌うあの童歌。
るりはなちゃんの迫真の演技で涙腺崩壊です。
冒頭でゆらが歌うように、ゆらも城に攫われた娘たちと同じように悲しい女なのですね。
というより城に攫われた女のひとりにすぎないとも言えます。
だからこそ女性に優しい十兵衛に恋する。
このあたりの演出はさすが大野先生という感じです。
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