はじめに:遠征観劇で「もう一歩踏み込みたい方へ」
宝塚大劇場は有名ですが、そのすぐ隣にある「バウホール」も観劇ファンには見逃せないスポットです。
本記事では、バウホールの基本情報から、宝塚での位置づけ、これまでの注目公演までを初心者にもわかりやすくご紹介します。
バウホールとは?基本情報と大劇場との違い
- 宝塚大劇場に併設された小劇場(定員約500名)
- 客席数が少なく、舞台との距離が非常に近い
- 原則、1階席のみ(2階席なし)でどの席でも見やすい
- チケットが取りにくい=プレミア感あり
大劇場との違い
項目 | 宝塚大劇場 | バウホール |
---|---|---|
客席数 | 約2500 | 約500 |
公演規模 | 大作ミュージカル・本公演 | 若手中心の小劇場公演 |
スター出演 | トップスター・主要スター | 若手・2番手〜中堅スター |
バウホールは“未来のスターの登竜門”
バウホール公演は、若手スターが主演を務める機会が多く「未来のトップスターを発見できる場」としてファンに愛されています。
代表的なバウ主演公演例(過去の話題作)
- 花組:柚香光主演『ノクターン -遠い夏の日の記憶-』
戦争を背景にした哀しくも美しい物語。繊細な演技と抑えた感情表現が光り、柚香光さんの演技力の高さが評価されました。 - 星組:礼真琴主演『かもめ』
チェーホフの名作に挑んだ意欲作。深い人間ドラマの中で、礼真琴さんの内面からにじみ出る表現力と台詞の説得力が際立ちました。 - 月組:月城かなと主演『銀二貫』
人情味あふれる時代劇。丁寧な芝居と静かな情熱で役を深く掘り下げ、月城さんの真摯な演技が観客の心を打ちました。
これらの公演は、スターたちが演技や歌の実力を磨き、本公演とはまた違った一面を見せてくれる場でもあります。
バウホールならではの密な空間で、彼らの成長過程を間近に感じることができる点も、観劇ファンにはたまらない魅力です。
バウホール観劇の魅力ポイント
- 舞台との距離がとにかく近い!
目の前で演者の表情や息遣いまで感じられる贅沢な空間。 - 作品に没入できる濃密な時間
実験的・文学的な作品も多く、内容が深くて見ごたえがあります。 - 遠征スケジュールにも組み込みやすい
大劇場とのダブル観劇が可能な日程も多く、観劇遠征がより充実!
バウホール観劇の注意点とチケット情報
- チケットが激戦!
販売数が少ないため、ファンクラブ先行や友の会を活用して早めに狙うのがポイント。 - 前方席は見にくい
バウホールは1列から7列は座席が平坦なので前の人の頭で見にくいです。8列がベスト。
7列と最後列17列なら17列の方がお勧めです。 - 会場の入り口が大劇場とは異なる
初めての方は迷いやすいため、事前に地図をチェック。 - 公演期間が短い
1週間程度の短期公演が多いため、スケジュール確認が重要。
大劇場公演とのダブル観劇も可能ですが次の公演時間まで短いので時間をよく確認。
【体験談】バウホールで観た感動の1本
私が初めてバウホールで観劇したのは、星組・礼真琴さん(ことちゃん)主演の『かもめ』でした。
チェーホフ原作の少し難解な作品ではありましたが、ことちゃんの全身全霊の熱演、そして城妃美伶さんや天寿光希さんの繊細で深みのある芝居が見事に物語を支え、気づけば心をぐっと掴まれていました。
当時のことちゃんといえば、誰もが認める歌とダンスの実力者。でも、ご本人が語っていたように、お芝居には少し苦手意識があったそうです。
それでも『かもめ』という作品に出会い、演じる中で「お芝居も好きかもしれない」と思えた――そんな小さな心の変化が、舞台上にも静かに、でも確かに表れていたように感じました。
この公演の少し前、ことちゃんは『ロミオとジュリエット』の新人公演で初主演を果たし、この『かもめ』でバウホール初主演。
今振り返ると、ここからまさにスター街道を駆け上がっていく第一歩だったのだと思います。
あの小さな劇場の中で、未来のトップスターの“芽吹き”を見届けられたことは、今でも私の観劇人生の宝物です。
おわりに:遠征組にもおすすめの“バウホール体験”
宝塚観劇の旅を、もっと豊かに、もっと濃く楽しみたい方には、ぜひバウホールでの観劇をおすすめします。未来のトップスターとの“出会い”が、きっとあなたを待っています。