韓国ミュージカル ON SCREEN『エリザベート』を映画館で見てきました。
2022年公演版・2024年韓国劇場公開作品
キャスト
エリザベート: オク・ジュヒョン
トート: イ・ヘジュン
ルキーニ: イ・ジフン
フランツヨーゼフ: ギル・ビョンミン

歌唱力が半端ない
韓国ものは映画やドラマは比較的よく見ますが、韓国ミュージカルは以前韓国の劇場でアンナカレーニナを観て2回目です。
劇場での迫力に圧倒された記憶がありますので、今回も当然期待して観ましたがやはり期待以上でした。
宝塚とは全く別物ですし東宝もたまに観ますがレベルが段違いですね。
エリザベート役のオク・ジュヒョンさん。韓国ミュージカル「エリザベート」は2012年の初演から5回目とのことですが初演から出演されていますね。高音の声量も十分ですし「私だけに」だけで元が取れる感じです。
トート役のイ・ヘジュンさんもエリザベートに全く引けをとらない歌唱ですし、フランツヨーゼフ役のギル・ビョンミンの声がめちゃくちゃいいと思って調べたらオペラ歌手なんですね。なるほど納得です。
演技は予想外に自然
演技がどなたも予想外に自然でした。以前観たアンナカレーニナはもう少し濃厚な役作り、演技だったように思います。今回ももっと力の入った、あるいはもっと顔芸も多いかと予想していましたがいい意味で裏切られました。
そしてエリザベートはじめどなたも自然な演技なのにしっかりその役になりきって表現しているのが凄いと思いました。さらに化粧や髪型なども普段と変わらないぐらい普通で。やはり演技の上手い人は衣装や化粧で飾らなくても、自然な演技で役になりきり感情を見る人に伝えることができるんだと感じました。
演出が東宝版、宝塚版よりわかりやすい
ミュージカル「エリザベート」にはエリザベートやフランツヨーゼフなどの生き様を描くと同時に、その時代背景や国と国の争いや関係などいろいろなテーマがあると思います。
宝塚版などはどうしても主役トートやエリザベートに焦点をあてて綺麗にカッコよく描く要素が強いと思います。
今回の韓国版を見てたとえば、操り人形の演出がありますが、あれはエリザベートだけでなくフランツヨーゼフやゾフィーも時代の大きな流れに翻弄されていたことがよく表現されています。
またゾフィーは一般的には意地悪い姑のイメージですが、ゾフィーもまた自分の親から同じような教育を受けた存在であるということが、あの操り人形の場面でわかります。
あるいはトートが医者に化けてエリザベートに夫の過ちを伝える場面では、宝塚版では写真でややぼかしたような演出ですが、韓国版ではズバッと病名を言います。宝塚版ではあのセリフは無理だとは思いますが、わかりやすいです。
印象に残った場面
エリザベートのオク・ジュヒョンさんの自然体の演技がとても印象的でした。そしてあのオーラ。存在感。
年齢的なものもあると思いますが、フランツヨーゼフとの関係では前半はやや姉さん女房的に感じました。
一幕ラストの鏡の間も、たとえば花總さんは出てきた瞬間からこの世のものとも思えない怖い美しさがありましたが、そうではなく、何かもっと大きな存在でフランツヨーゼフを包み込むような独特な雰囲気がありました。
次は夜のボートですね。エリザベートの歌は弱々しく物悲しく歌う人がほとんどですがオク・ジュヒョンさんの歌ははっきりと歌っているのに感情がしっかり伝わってきて泣けます。あれは何なのでしょうね。持って生まれた才能でしょうか。
フランツヨーゼフもやりすぎない演技なのにしっかり感情が伝わります。芝居が上手いと言ってしまえばそれまでですが。大前提には歌唱力があることは言うまでもありません。
まとめ
全国の映画館で上映中です。ほとんどはもう間もなく終了してしまいますが、もしまだ見てない人でまだやっている映画館があれば見る価値は十分あります。ぜひご覧ください!
こういうのを観ると韓国に行きたくなっちゃいますね。来年エリザベートやるみたいです。
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