宝塚初心者におすすめ作品<ショー(レビュー)>

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JAGUAR BEAT-ジャガービート-

年度、組名、主要出演者

  • 年度:2022年
  • 組名:星組
  • 主要出演者:礼真琴(ジャガー役)、舞空瞳(クリスタルバード役)、瀬央ゆりあ、暁千星、極美慎ほか

作品概要、演出家

  • 作・演出:齋藤吉正
  • 概要:半人半獣の“JAGUAR”(ジャガー)を主人公に、彼とクリスタルバード(美しい鳥)が出会い、恋を通じて未知なる世界への旅に出るメガファンタジーショー。パワフルなビートにのせて、星組メンバーの多彩な個性とダンスが展開される。

作品概要

2022年に星組で上演されたショー『JAGUAR BEAT-ジャガービート-』は、元気いっぱいでちょっと不思議な世界観のレビューショーです。主人公は、野性味あふれる“ジャガー”の姿をした青年。あるとき、キラキラした光をまとった女性(クリスタ)と出会い、そこから彼の心に変化が生まれ、知らない世界へと踏み出していきます。

物語ははっきりと筋が通っているというより、いくつもの印象的な場面が重なって進んでいく形。その中には「出会い」「別れ」「再会」といったドラマの流れも感じられますが、若干ストーリーがわかりにくい印象はあります。

演出を手がけたのは齋藤吉正さん。このショーでは、星組の持つエネルギーやパワフルさを思いきり前に出しながら、場面ごとにまったく違う雰囲気を見せることで、飽きずに楽しめるつくりになっています。光や衣装、音楽もかなりインパクトがあって、とにかく派手!スピード感があり、勢いに乗ってどんどん進んでいくショーです。

具体的な超ポイント:魅せ場集!

  1. 銀橋での色っぽい振り返りの瞬間!
     礼真琴さんが銀橋を渡るシーンで、客席に背を向けながら、ふっと後れ毛を跳ね上げる仕草。ほんの一瞬の動きなのに、ドキッとするような色気と存在感で、目が自然とそちらに引き寄せられます。
  2. 暁千星&極美慎のデュエットダンス
     NARKISSOSでは、暁さんと極美さんが息ぴったり。2人で揃えて大きくジャンプする姿に「おぉっ!」と引き込まれます。極美さんの成長が感じられます。
  3. 碧海さりおの側転+羽根の演出
     「PARADISE JUNGLE」場面。ライオン役の碧海さんが、羽根を持ったままキレキレの側転!美しさとパワーが同時に来るシーンで目が離せません。
  4. 遥斗勇帆のソロ歌唱シーン
     退団公演のソロはセンターでスポットライト!歌も姿も感動的で、胸にじんわり響きます 。
    最後まで全力投球の遥斗くん、かっこよかったです。
  5. トップコンビの見せ場=フィナーレ群舞場面
     最後の燕尾服&袖まくり群舞。礼さんを中心にみんな“自由な個性”で動く姿がすごくカッコよくて、星組の熱量も爆発!

まとめ

  • 勢い重視! 全編テンションMAXで、観たらリズムが体に残る中毒ショー。
  • 細か〜い仕草の1つ1つがかっこ良すぎ! 後れ毛、ジャンプ、羽根、銀橋…小さな動きに込められたセンスと迫力にくぎ付け。
  • 組子それぞれに見せ場アリ! 女豹やマシーンガール、退団者ソロなど、それぞれの“魅せシーン”が胸アツ。

だから…初心者さんも「これ何や?」って思っても大丈夫!観れば観るほど、振付とか表情とか、ぜーんぶ面白く見えてくるヤミツキ作品です。

La Esmeralda(ラ エスメラルダ)

年度、組名、主要出演者

  • 年度:2015年
  • 組名:雪組
  • 主要出演者:早霧せいな、咲妃みゆ、望海風斗

作品概要

『La Esmeralda』は、ラテン音楽や南国の情熱をテーマにしたエネルギッシュなレビューショーです。舞台は、エメラルド色の海に囲まれた島、火祭りが行われる夜、きらびやかなネオンの街など、さまざまな世界へと移り変わっていきます。

はじまりは、夜の幻想的なシーン。咲妃さんと望海さんが蝶のように舞うデュエットが印象的で、静かな緊張感に引き込まれます。そのあと、舞台は一転して明るく陽気な雰囲気に。ラテンのリズムに乗って、パワフルな場面が次々と展開されていきます。

演出は齋藤吉正さん。色彩豊かでスピード感のある場面構成が特徴で、この作品でもその持ち味が存分に活かされています。衣装、音楽、照明のすべてが情熱的で、まさに「観て感じる」タイプのショーです。


具体的な超ポイント:魅せ場集!

全体の印象:熱量がすごい!観てるこちらまで高揚するショー

静かな美しさと、情熱的なダンスシーンの対比が絶妙で、観ているだけで気持ちがどんどん盛り上がっていきます。シーンのテンポが速くて飽きないので、時間があっという間に感じられる作品です。


冒頭の“夜の蝶”シーンが幻想的

咲妃さんと望海さんが静かに踊るオープニングは、照明も音楽も美しくてとても幻想的。しっとりした雰囲気から、明るくて賑やかなシーンへ切り替わる流れがとても印象的です。


「火祭り」の迫力に圧倒される

真っ赤な照明と情熱的なリズムにのせて、ダンサーたちが一斉に踊る「火祭り」の場面は、とにかく迫力満点!舞台全体が熱を帯びて、客席までその熱気が伝わってくるようです。


早霧せいなさんの“海賊シーン”がとにかくかっこいい

中盤に登場する早霧さんの海賊姿が、本当に絵になります。歩き方や視線、衣装のなびかせ方までキマっていて、スターの魅力をこれでもかと感じられる場面です。


まとめ

『La Esmeralda』は、情熱的な音楽とキレのあるダンスがぎゅっと詰まった、見応えたっぷりのショーです。ストーリーを深く追うタイプではない分、感覚的に楽しめるのも魅力。宝塚レビューの醍醐味をしっかり味わえる一作だと思います。

エネルギーをもらいたいとき、元気がほしいときにぴったりの舞台。ぜひ一度チェックしてみてください!

BEAUTIFUL GARDEN −百花繚乱−

年度、組名、主要出演者

  • 年度:2018年
  • 組名:花組
  • 主要出演者:明日海りお、仙名彩世、柚香光 ほか

作品概要

『BEAUTIFUL GARDEN』は、花組の美しさを“庭園”に見立て、愛や夢、ロマンをテーマに描いたレビュー作品です。演出の野口幸作さんが、まるで“百花繚乱”のごとく華麗で大人っぽい雰囲気を目指し、トップスター・明日海りおさんをはじめとするスターたちの魅力が存分に楽しめる構成になっています 。

幕開けは真夜中の花園。蝶のように舞う“蝶美男子”たちのシーンから始まり、印象的なダンスが続きます。続いて赤や紫の花にちなんだシーン、ローマの剣闘士を思わせる剛健な場面、ジョージ・ガーシュインのメドレーなど、多彩な演出が目まぐるしく展開。さらにJ-POPやロックの有名曲も取り入れて、観客をグイグイ引き込んでいきます。

物語を追うというより、いろんな色や音、振付で花組の魅力を感じるショー。歌とダンスがテンポよく続き、最後は「宝塚の庭」に感謝するようなフィナーレで幕を閉じます。


具体的な超ポイント:魅せ場集!

全体の印象:華麗&大人っぽさ全開で魅せる「花組の庭園ショー」

大人の色気や抒情がありつつも、力強さも失わず、派手さも忘れない…そんな“美しき庭園”を体感できるショーです。ダンサーも歌唱もレベルが高く、場面ごとの雰囲気の変化がすごく楽しい!


プロローグの「蝶の舞」が幻想的で引き込まれる

薄紫の衣装をまとった蝶美男子たちが、真夜中の庭で舞い降りるオープニング。明日海さんの蝶ゴンドラ登場も含め、美しさと壮大さを一気に感じられる幻想的な幕開けです。


意外にカッコいい「ローマ剣闘士」シーン

演出家・野口さんは、マタドールやローマ剣闘士といった“男性の強さと佇まい”も描きたかったそうで、鋭い立ち姿や剛健なダンスでトップスターたちが重厚な美を表現しています。

パリの場面での舞空瞳さん、とにかくダイナミック!

「RAINY DAY GARDEN ―パリの花々―」場面では、柚香光さんと舞空瞳さんが中心となるステージ。「雨に濡れても」の曲にのせて、色とりどりの傘を手に、パリの街角を歩くようにしなやかにダンス。

特に舞空さんは、すっと伸びた長い手足とキレのあるダイナミックなダンスが印象的で、本当に素晴らしかったです。スター誕生を感じさせる瞬間でした。


J-POP&ロックで魅せる“身近でキラキラ”な花組

T.M.Revolution『HOT LIMIT』やTUBEのメドレーなど、耳なじみのある曲に合わせて踊るシーンがいっぱい。柚香光さんたち若手のグループダンスも鮮やかで、観客が嬉しくなる演出です。


フィナーレは「庭園の感謝」を感じる優雅な見せ場

大階段での群舞&デュエットダンスで、まるで花々がそよぐような華やかなフィナーレ。明日海さんと仙名さんの美しい輪舞が、舞台をまるで絵画のように締めくくります。


まとめ

『BEAUTIFUL GARDEN』は、宝塚花組ならではの美学と華やかさがぎゅっと詰まったショー。大人っぽさもポップさもあって、観た人の心をグッとつかみます。

映像的な演出やJ-POPナンバーも取り入れて、新しさと伝統のバランス感が絶妙です。「宝塚のショーに初めて触れるなら、これを観てみて!」とおすすめしたくなる一作です。

CONGA!!(コンガ!!)

年度、組名、主要出演者

  • 年度:2012年
  • 組名:花組
  • 主要出演者:蘭寿とむ、蘭乃はな、壮一帆 ほか

作品概要

『CONGA!!』は、ラテンの熱狂をテーマにした、大人の色気とパワー満点のレビューショー。
幕開けは“満天の星”の夜空の下。みんながコンガのリズムに合わせて踊り祈る中、巨大な蘭の花がうごめき、そこからリズムの神・ディオス・デ・コンガ(蘭寿とむ)が誕生します。

場面はガラリと替わり、第2夜では音とリズムのダンス対決、第3夜ではカリブの海賊第4夜はアフリカのジャングルへ…と、熱気とリズムにあふれる場面が連続。最後には蘭寿さんと蘭乃さんが激しくも美しく踊り合い、愛も情熱も燃え尽きるような結末へと突き進みます。

演出は藤井大介さん。男っぽさと大人のセクシーさを前面に出しつつ、花組メンバーそれぞれのエネルギッシュなダンスが次々に見られる濃密ショーです。

具体的な超ポイント:魅せ場集!

全体の印象:ラテンの熱気が舞台からほとばしる“無限パワー”ショー!

ステージ全体が汗と情熱で溢れ、本当に“止まらない”。観ているだけで心拍数が上がるような、そんなエネルギー漲る作品です。

プロローグの星空&群舞がめっちゃ映える!

夜空に光る星を思わせる照明の中、軽快なドラムに合わせて出演者たちが勢いよく踊り出すオープニング。そこに大人数のダンサーが加わると、華やかさと迫力が一気に広がります。舞台の始まりから気分が高まり、これからどんなショーが始まるのかワクワクしてしまうシーンです。


蘭寿とむ&蘭乃はなの迫力ダンスが本当にすごい!

トップスターの蘭寿とむさんと蘭乃はなさんが見せるラテンダンスは、息の合った動きと力強さが見どころ。高く足を上げるキックや、しなやかなターンが連続して続き、見ているこちらのテンションも自然と上がっていきます。堂々とした立ち姿からも熱気が伝わってくるような場面です。


壮一帆さん&若手のキレがすごい群舞シーン

アフリカ風のリズムが響く中で展開する群舞の場面では、壮一帆さんを中心に全員の動きがキレよくそろい、スピード感がありながらも迫力たっぷり。茶系の衣装が舞台に映え、力強い振り付けとのバランスも絶妙です。ダイナミックな中にもしっかりとした構成美があって、とても印象的な一場面になっています。

まとめ

『CONGA!!』は、ハードで情熱的、そして美しさもある“大人のためのラテンショー”。
非日常の熱気が舞台から降り注ぎ、観る者をがっちり掴んで離さない作品です。蘭寿さん&蘭乃さんはもちろん、柚香光さんなど全員のダンスに引き込まれます。

花組ショーの中でも、特にエネルギッシュで存在感がある一作。「一本筋が通った熱ショーを観たい」という方にはまさにおすすめ!どうぞご注目ください。

ミレニアム・チャレンジャー!

  • 年度:2000年
  • 組名:宙組
  • 主要出演者
     和央ようか(新トップスターお披露目)、花總まり、湖月わたる、樹里咲穂 ほか

作品概要

『ミレニアム・チャレンジャー!』は、21世紀を迎えるにあたり、未来への“チャレンジ精神”をテーマにしたグランド・レビューショー。作・演出は石田昌也さん、振付にはTRFのSAMさんも参加し、“無国籍”で賑やかなエネルギーあふれる舞台に仕上がっています。

オープニングは、和央ようかさんを中心とする出演者たちによるリズミカルな歌とダンスから始まります。その後、湖月わたるさんや樹里咲穂さんらによる「大漁ソーラン」のパワフルな群舞、ジャズ調にアレンジされた“さくらさくら”の軽やかなシーン、そして大人の恋が描かれる「カウンター」など、多彩なシーンが目まぐるしく展開。

中盤には、狐と青年による幻想的なバレエや、十二支をモチーフにしたダンスなど、ショーならではのエンタメ感もたっぷり。一貫して「変化」と「躍動感」を重視した構成で、最後はTRF SAM氏振付の祝祭ダンスでショーが華やかに締めくくられます。

具体的な超ポイント:魅せ場集!

全体の印象:リズムが止まらない、まさに「ショーの祭典」!

オープニングから「走り出す」感じで、一瞬たりとも緩まない60分。次々とテーマの異なるシーンが切り替わる構成で、観ている気持ちもぐっと引き込まれるショーです。


ロック調ソーランで気分が一気に高まる群舞

湖月わたるさんをはじめ宙組の男役たちによる“ロック・ソーラン”。太鼓のビートと揃った掛け声が心に響いて、まるで祭りの最中にいるかのような一体感です。ステージ全体がいっせいに弾ける瞬間が最高です。


ジャズ風「SAKURA」で洒落感が漂う瞬間

いきなり和のイメージから、洗練された大人のムードへ。ジャズアレンジの「さくらさくら」に乗って、軽やかなステップやクールな表情で舞うシーンは、観ている側のテンションを一度落ち着かせる“おしゃれな間”になっています 。


狐と青年のバレエでホッとする幻想的なひと時

中盤、九尾の狐をテーマにしたバレエシーンが登場。花總まりさん演じる狐と、樹里咲穂さん演じる青年がしずかに踊る姿には、感情がゆっくりと動かされるような深みがあります。群舞とはがらっと違う“静の美しさ”が光る場面です。


TRF・SAM氏の振付による“ミレニアム祝祭ダンス”

最後を締めくくるのは、アクロバティックさも感じるダイナミックなダンス。ステージにずらりと並ぶ十二支モチーフのダンサーたちが、未来への祝福を表すかのように軽快にステップを踏みまくり。音楽も軽やかで、まさにお祭りのクライマックスです。


大劇場デビューの和央ようかさん、お披露目の瞬間の存在感

ショーのはじめと終わりに登場する和央ようかさん。大劇場お披露目らしく、全身を使ったダイナミックな歌とダンスで、主人公としての立ち姿をしっかり見せつつ、宙組全体のエネルギーを引き出しています。

まとめ

『ミレニアム・チャレンジャー!』は、次々に展開する場面の多さと、登場するキャラクターの多彩さが魅力。和央ようかさんのトップお披露目という意味でも特別で、群舞・バレエ・ラテン・ジャズ…さまざまな要素がミックスされたエンタメ満載のレビューです。

観ている現実を忘れて、未来へ踏み出すような活力を感じられる一作。テンション高めの舞台が苦手でなければ、絶対に楽しめると思います!

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