雪組公演 星逢一夜
前記事でこの演目の主題についてよくわからいと書きました。
現時点で自分が思う主題は『自分ではどうすることもできない境遇にありながらも、懸命に生きた人たちのドラマ』なのではないかと書きました。
さらに『なんとしても泉と一緒になりたい」という気持ちが感じられない』とも書きました。
その後プログラムやナウオンを見返したり廻りの人の意見聞いたりしながらなんとなく気がついてきたことを今日は書きます。
この演目のキーワードは『星』『星逢(七夕)』
『星』から連想されるもの
紀之介の台詞にあるように「星はいつも同じように動く」
また主題歌にあるように「空を行く星々は 定めにしたがい 抗わぬもの けして揺るがずに 心殺して 空を行くだけ」
この話に登場する人物はそれぞれの環境で、それぞれの時代に自分ができることを真っすぐに信念を揺らぐことなく懸命に生きた、まるで『星』のように。
みんなが星のように奇麗な生き方だったからこそ最後は悲しい結末になったけれども見終わった観客は何かすがすがしい気持ちになれて涙があふれるのではないか。
『星逢(七夕)』から連想されるもの
この物語の主な出来事は星逢(七夕)の頃におこっているのですよね。
七夕。織姫と彦星。
一年に一度だけ逢える関係。
晴興と泉はある意味、 織姫と彦星の関係だった。(夫婦ではないですが)
晴興は江戸に向かうときには泉のことが好きだったけれども藩主の子供という立場からもう逢えなくなるかもしれないと思っていた。
泉への想いは心のどこかにしまって旅立った。
しかし決して消えることのない想い。
江戸で吉宗に要職に抜擢されてからは義理もあり仕事に邁進することになる。しかし泉への想いはずっと心の中にある。
ただこの想いは一緒になりたいとかいうものではなく。それは立場上どうしようもないことは晴興はわかっていたので。
もう一つ、今回子供のころの場面がかなりしっかり描かれている。メインキャスト本人が子役もやっていることからもそう思います。
これは『自分の立場に真っすぐに生きた大人たち』と『なんのしがらみも無く純粋に生きられる子供たち』の対比をしっかりすることで『信念に真っすぐに生きた大人の奇麗さ』をより鮮明に描き出すことに成功していると思う。
次に観劇するときには『星』『星逢(七夕)』のキーワードに注目して観てみようと思います。
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