星組スカーレットピンパーネル新人公演観劇
スカピンの新人公演を観劇しました。
贔屓のことちゃん(礼真琴)が新公卒業して出てないのに何で行くの?と家族に言われますが、やはり若手の舞台はフレッシュで見応えありますよね。できれば全組見たいところですがそうはいきませんが、、
そして今回はショーヴランを遥斗勇帆くんがやるというのでぜひ見てみたいと思いました。それから雪組から来たくらっちの芝居も見たかったので。
まずは全体の観想ですが「いわゆる新人公演らしい公演だったなあ」です。これはいい意味でのフレッシュさもありますが、ちょっと辛口になりますが「まだまだ本公演とのレベル差は相当ある」当たり前ですけどね。
展開で本公演との違いは、
冒頭のシーンで民衆がいない。デュハーストとドゥ・トゥルネー伯爵が両袖に立って会話する。
舞台センターにピンパーネル(パーシー)がせり上がりで登場。これカッコいいです。
ひとかけらの勇気を歌う。途中マルグリットがショーヴラン登場に手紙を渡す。
パーシーが銀橋で歌い終わるとショーヴラン登場でマダムギロチンへ。
あとは本公演とほとんど同じです。途中ピンパーネル団が派手な衣装に着替える場面がなかった。
マルグリットの物語のようにが聴けなかったのは残念だった。
個別の観想を
パーシー/ピンパーネル
ぴーすけ、歌は想像以上によかったと思います。お稽古相当頑張ったのでしょう。
今まで何度も新人公演でぴーすけの歌を聞いていますが不安定で声もでないし、今回一番心配してましたが見事に裏切られました、もちろんいい意味で。
音程も安定してたし声もよく出ていました。あれだけスカピンの歌を歌えれば新人公演としては十分でしょう。
一方芝居はあえて辛口で書きますが『まだまだ』です。
余裕がないというか台詞を間違えないように言うのか精一杯という感じです。感情が入ってないような台詞もあったし。短いお稽古期間であれだけ歌が上達したということはお芝居にしわ寄せがきたのかもしれませんのでこれは仕方のないことかもしれません。
もともとぴーすけの演技は薄いですからね。もっともっと感情を表に出せるようになるといいのですが。次回以降に期待です。でも主演の役目は十分に果たせたと思います。
マルグリット
くらっちの演技は雪組時代はほとんどまともに見てないので今回のスカピン本公演でのマリーが最初です。
それほど出番が多くないマリーでもその演技のうまさはわかりますし歌も安心して聞けますので、今回のマルグリットも楽しみでした。
結果予想通りの安定感で歌、芝居、見た目とも大満足でした。特に芝居はうまいですねえ。
雪組のゆうみちゃんに匹敵するのではないでしょうか。
役作りとしては本公演のあーちゃんよりも冷たすぎず、初演のあすかに近いですかね。ただあすかほど強すぎず、ちょうどいい自然な大人なマルグリットという印象でした。
たとえばアルマンとマリーがパリに戻ると言い出す場面。「二人で頑張りなさい」と言う台詞も本当に弟を心配している感情が伝わりました。
歌も予想以上にうまいし感情表現がうまいですね。歌で芝居ができるというか。かつてのはなちゃん(花總まり)のように。
歌で一番よかったのは最後のひとかけらの勇気ですね。この歌、あすかでも不安定でしたが、くらっちは音程は安定してるし感情がこもっていて感動しました。
最後のパーシーとのデュエットもよかった。マルグリットが引っ張る感じで。本来はパーシーが引っ張るのでしょうが、歌のうまいくらっちがリードしていい感じだったと思います。
いい娘役さんが星組に来てくれたと思います。これからの舞台も楽しみですね。とりあえず阿弖流為のヒロインは楽しみすぎます。
ショーヴラン
ゆうほくんのショーヴラン。よかったです。さすが想像通り、いや想像以上に歌もうまかった。
まずパッと見、がたいがいいので怖そうに見えるのがいいですよね。そういう意味で役に恵まれたと思います。
ただし僕の予想していたショーヴランではありませんでした。
というかどんなショーヴランになるのか予想がつかなかった。
おそらく彼女独特の全く新しいショーヴランが出てくるのではないかと期待していました。
しかしその声を聞いた時「ことちゃんに似てるなあ」と思いました。さらに仕草や歌い方などことちゃんのコピーという感じでした。声は本当にそっくりでした。
ただ役作りをことちゃんと同じ方向にしたのかはわかりません。ご本人に聞いてみたいです。
がたいもいいしことちゃんより威圧感があります。特にマダムギロチンの歌は相当威圧感があり、ちょっとちえさんにも似た雰囲気はありました。なので役作りを同じにしたようには思えませんが、声や仕草はそっくりでした。
新人公演としてはとても素晴らしかったですが、あえて言えばここが一番問題だったと思います。
ことちゃんとは全然違う『遥斗勇帆のショーヴラン』にすれば、もっと度胆を抜くようなショーヴランが生まれたような気がします。それがどんな方向性なのかはわかりませんが。
ご本人が本役と同じようにしようとしたかはわかりませんが、結果コピーのように見えてしまったのでどうしても本役のことちゃんと比較になります。そうするといろいろと違いが見えてしまった。
気になった点として
歌の低音が伸びない
ゆうほくんはもともと声が高いのでしょうが、予想以上に低音も頑張ってました。しかし低音域は伸びないというか聞こえにくいです。その点ことちゃんは二階席まで響き渡りますからね。
歌の高音は女声になる
一方高音域はよく出ますがどうも女声になるような気がします。普通に歌うならそれもいいのでしょうがショーヴランの歌となるとちょっと違和感があります。これもことちゃんの男役での高音は男役の声のまま高音が出ます。
台詞で怒鳴ると異常に高い声になる
これが一番びっくりしました。ショーヴランの台詞は低音で怖そうに話すのですが何回か『怒鳴る』ところがあります。
例えばマダムギロチンでサン・シール侯爵に「望みをかなえてやろう!」っていう台詞。それまで低音でことちゃんと同じような声質で喋っていたのに突然甲高い声になってびっくりしました。
ゆうほくんはもともと声が高くショーヴラン役で低音での発生を相当お稽古され、しかし突然怒鳴るような場面では地声が出ちゃった、そんな感じでした。これはまだ男役の声ができていないということなのでしょうか。まだ研6になるところですからこれからに期待でしょう。
そのほかの人の観想はまた後日に続きます
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