星組バウ公演(礼真琴) かもめ 原作を読んで、、、5
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最終更新日:2014/04/13
星組
主要人物の人間関係について考えてきましたが、考えれば考えるほどますますよく
わからないことが増えてきます。。
そこで疑問に思ったことをいくつか考えてみたいと思います。
<かもめとは何を指しているのか>
この戯曲の題名「かもめ」とは一体何を指しているのでしょうか。
戯曲の中でかもめが出てくる場面を抜き出してみます。
・トレープレフが殺したかもめをニーナに差し出す。
「今日僕はこのかもめを殺すような下劣なまねをした。」
「おっつけ僕もこんなふうに僕自身を殺すんです。」
・トレープレフが殺したかもめをトリゴーリンが見つけてメモをする。
「湖のほとりにちょうどあなたみたいな若い娘が子供の時から住んでいる。
かもめのように湖が好きでかもめのように幸福で自由だ。
ところがふとやってきた男がその娘を見て退屈まぎれに娘を破滅させてしまう」
・トリゴーリンに捨てられ悲惨が生活を送るニーナがトレープレフに送った手紙の
著名が「かもめ」
・トレープレフが殺したかもめをはく製にしてくれとシャムラーエフに言った
トリゴーリンは、4幕最後で、そのことをすっかり忘れている。
・4幕最後、トレープレフに話すニーナは「私はかもめ、、、いえ、、」と何回も繰り返す。
こう見るとかもめは「私はかもめ」と繰り返すニーナとするのが妥当でしょうか。
ではもしそうならかもめは何を表しているのか。トリゴーリンがメモした短編そのままに
「かもめのように幸福だった娘ニーナが破滅していく」その様を表現しているのか。
ただニーナは堕落しただけではなく最後は「仕事で大切なのは忍耐だということに
気づき自分の行先を発見した」。この生きざまを表現したかったのでしょうか。
また、かもめを殺しておきながら最後は自殺してしまったトレープレフがかもめだと
いうこともできそうです。トレープレフが自分自身で言っているように自分で自分を
殺してしまった。チェーホフはどちらのことを指して「かもめ」と題したのでしょうか。
それとも全く別のことを指しているのか、、、
つづく
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