星組バウ公演 かもめ 初日感想2
星組バウ公演 かもめ 初日感想の続きです。
チェーホフの原作、違う訳の本3冊、のべ10回は読み込んで観劇しました。
なので登場人物の名前はもちろん、人間関係、ストーリー、だいたいの台詞まで
覚えていました。
最初は若手の使用人たちが、仮設舞台を作っているところから始まります。
そして上手にせおっちメドベージェンコとはるこマーシャが会話をはじめます。
ここで「あ、そうか、原作のままの構成なのだな」と思いました。
この時点で、「ことちゃんの出番は少ないな」とか
「最後の終わり方はまさか原作のまま?」
とか考えちゃって、その予感は的中するわけですが。
下手からことちゃんコースチャとちぐソーリンが話しながら登場。
せめてことちゃんの登場場面ぐらい、宝塚らしく演出してほしかったな
というのが率直な感想。
まああくまで原作どおりってことでしょうか。
ことちゃん(礼真琴)の感想
トレープレフは悩める青年。今回の登場人物の中で一番暗い。
ことちゃんとは正反対です。
この暗さは初めから最後まで続きます。最初ニーナと二人の場面は明るいですが、
そこだけです。あとはどんどん暗くなっていきます。
ナウオンで、ことちゃんも言ってましたが、稽古場は笑いが絶えなかったとか、
稽古場情報でお兄様がたが「これは喜劇だ」とか。
確かに登場人物みんなが好きなように生きていて(トレープレフも含めて)
お互いがちょっとずれているので、基本的に軽いタッチで進んでいく。
会場からもところどころで笑いが起こった。
でもトレープレフだけは暗い。まあ悩んだ末に自殺しちゃうのですから暗くて
当然なのですが。
でもどうもトレープレフだけ違和感がある。これは原作も同じだから
僕の理解力がないのか。
よくわからない。
会場からの笑いに「なんでそこで笑うの?」ってのが何回もあった。
ニーナとの最初の場面で歌う♪ニーナ~ 二人で飛び立とう♪は、
いい歌ですね。
でも初日は稽古場映像のほうがよかったと感じた。2幕で、もう一回歌う
のですが2幕のほうが全然よかったです。
ことちゃん、ロミジュリ新公でもナポレオン新公でも感じましたがエンジンが
かかるのが遅いような気がする。特にナポレオン、乗ってくるとさらに
うまくなる。
このへんは改善の余地ありかもしれません。
母親との喧嘩のシーンは、圧巻ですよ。かなり難しい歌だと思いますが、
二人とも歌がうまいので成り立つのでしょう。
喧嘩の前に、コースチャが母親に「ママ、包帯をかえてほしい」と甘えるのですが、
ここはまさに礼真琴の真骨頂でしょう。マザコンぶりはみごとでした。
この言い合いのところでも会場から笑いが、、僕には理解できませんでした。
なんであそこで笑えるんだろう。
それから最後ニーナとの場面。
ニーナの長い台詞のうちにコースチャがだんだん追い詰められていく。
ことちゃんの表情がだんだん絶望感が増して、そして最後のダンスに
つながっていきます。
このやりとりはとにかくみごたえがあります。
そして最後にダンスがあります。
自分のもとへ帰ってきたと思ったニーナにも最終的にふられ全ての望みを失ったコースチャは
自殺するのですが、その前の場面です。
背景にさくさんのかめもが映像で羽ばたきます。それは去って行ったニーナなのか
これから遠くへ旅立つトレープレフ自身なのか。
圧巻のダンスはこのかもめの象徴なのだと思いますが、絶望感をみごとに
表現したと思います。
あの振り付けはことちゃんしかできません。言葉では表現できませんので
ぜひご覧になることをおすすめします。
最後も全く原作どおり、ことちゃんは下手に去って、ピストルの音とともに
終了します。
フィナーレもありません。バウは幕がありませんので、終わって暗くなり、
明るくなると出演者が順番にでてきます。
最後にことちゃんが登場して挨拶してくれました。
なんかとても緊張していたのか、元気がないような感じもしました。
あのロミジュリの新公の緊張感とも違う、なんなのでしょうか。
「とにかく気を引き締めないと台詞を間違えますので、がんばります!」と。
バウ初主演ということでそうとうな重圧だと思います。我々には想像も
できない大きさでしょう。
でも今回の公演で得たものは、また測り知れなく大きなものでしょう。
千秋楽まで全力で走り抜けてください。
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