コロナ時代の宝塚歌劇を考える
8月8日 とうとう稽古中の雪組のジェンヌからもコロナ感染者が出ました。
現在の状況は
花組
陽性者は12名(出演者8名、スタッフ4名)
8月2日(日)~8月16日(日) 公演中止
8月17日(月)以降は未定
星組
現在出演者1人陽性 数十名が結果待ち
8月7日(金)~8月20日(木)
8月21日(金)以降は未定
連日の出演関係者の感染報道にどんどん気持ちが落ち込んでいきますが、まずは感染した方々が一日の早く回復しますように祈っています。
さてこのようなコロナ感染が拡大している状況の中で宝塚歌劇を安全安心に楽しめるようになるにはどうしたらいいのかを考えたいと思います。
誰でも感染する可能性がある
今の感染状況をみると「誰でも感染している可能性がある」という大前提で物事を考える必要があります。
「常に消毒グッズを持ち歩き手洗いや消毒を徹底して、3密の可能性のある場所にはほとんど行かないように対策していた人が感染した」という報道も聞きます。
なのでどんなに感染予防を徹底しても感染する可能性はゼロにはなりません。
宝塚歌劇団においても出演者、スタッフに感染者が常に存在するという前提に立って対策をしなければいけません。
公演関係者と観客は分けて考える
宝塚歌劇団の感染対策を公式サイトでみると、これだけ徹底して感染対策していれば「公演関係者から観客へ感染が移る(またはその逆も)」ことはほとんどないと思います。
もちろん歌劇団がお願いしている対策を徹底すれば、ですが。マスクをしないでスタッフに大声で話しかけるとか、内緒で出演者に会って握手するとか、ばかなことをしなけければ。
問題は公演関係者間、観客間それぞれでの感染拡大をどう防ぐか、です。
まず観客間は基本的な感染拡大対策を徹底すればほとんど拡大は防げると思います。マスクをする、手を消毒する、ソーシャルディスタンスをとる、幕間でマスクなしで大声で喋らない。
もちろん感染拡大の可能性がゼロになるとは言えませんがよっぽど大丈夫だと思います。
問題は公演関係者間です。
演劇という特殊性
公演関係者間の感染拡大防止はそう簡単ではありません。
舞台での公演ではマスクをしたり、ソーシャルディスタンスをとることは事実上不可能です。
テレビで梅沢 富美男が「マスクなんてして時代劇出来ませんから!」って言ってましたが、宝塚歌劇でもマスクして芝居なんてできないでしょうし、全てのシーンで2mの距離をとって芝居なんて成立しないでしょう。
日常生活でどんなに対策しても、稽古でマスクをして対策しても舞台上では感染対策はできません。
少々出演者の人数を削減しても無理でしょう。
そして先程も書いたように「常に誰か感染している可能性があります」
とすれば100年以上続いた宝塚歌劇の「今までと同じ演目、演出構成では出演者間の感染拡大を防ぐことはできない」です。
コロナ時代の宝塚歌劇団の選択肢は
今までと同じ演出構成では出演者間の感染拡大を防ぐことはできない。つまりいつまでたっても公演できない。
ではどうすればいいのか。
選択肢1
当分の間、全公演を休演する
ここ数ヶ月の状況をみるといくら対策しても公演再開しては休演の繰り返し。公演関係者の苦労も相当なものでしょう。観客数も半分で経営的にも厳しい。ならば全公演を休演してしばらく様子をみる。しかしいつまで続くかわからない状況では企業的にさらに厳しい状況になる可能性があります。
選択肢2
マスクなりフェイスシールドなり今以上に舞台上での感染対策をして公演する。
しかし見る方もマスクしている舞台は見たくありません。
選択肢3
出演者間での感染拡大は許容して公演を続ける。
しかし出演者の健康を考えると到底選択できません。社会常識上も無理でしょう。
以上どれも現実的な解決策はなかなか見つかりません。そこで僕としては以下の対策を提案します。
選択肢4
今までの演出構成はしばらく諦め、コンサート形式の演目とします。
エリザベートのガラ・コンサートみたいな感じで。
出演者も少なくして十分なソーシャルディスタンスを確保して。
その分、一つの公演期間を短くしてよりたくさんのジェンヌさんが出演できるようにする。
観劇する側としては少々残念な感じもしますがそこは観客側も公演者側も割り切っていくしかないと思います。
そしてスカイステージでのライブ配信を増やして劇場に行けない人も楽しめるようにする。経営上もプラスになります。
しかしながら何度も書いているように「常に誰かが感染している可能性がある」状況ですので定期的にPCR検査すれば必ず陽性者が出るでしょう。
そこをどう捉えるか。
一人でも陽性者が出たら休演という今のルールだと厳しいと思います。
コンサート形式であれば舞台上での感染拡大が抑えられているという解釈から、たとえば誰か一人陽性者が出てもその出演者のみ休演させて残ったメンバーで公演を続行する、とか新しいルールも考える必要があると思います。
もしそれも難しいのであれば、当分宝塚歌劇は公演できなくなります。
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